PROFILE
企業名
株式会社アヤベ洋菓子
お名前
綾部 哲嗣
生年月日
1973年9月2日
出身地(都道府県)
東京都
出身校
日本大学
あだ名
べんさん
キャッチコピー
埼玉のお菓子王子
夢
日本のスイーツを世界に
人生成分6つのキーワード
高校野球、大学野球、就職、先輩、社員、両親
部活、特技
野球部
CEO STORY
Q1
A. あなたをよく知る人物(家族・従業員・友人など)に紹介してもらってください。(他己紹介)
人を惹きつける魅力、オーラに包まれている綾部さんの周りには、いつも多くの人が集まっています。お客様にも社員にも「思いを伝える」ことを重視されており、ユーモア、笑顔を大切にされている人で、いつも相談させてもらっています。
Q2
B. 上記であなたを紹介してくれた方はどのような存在ですか (350文字以上 推奨)
・木下さん
彼は弊社のシステムエンジニアとして働いています。とても勉強熱心で、インフラ制度の整備をして、新しいシステムが導入されるといった時には彼が先頭を切って活躍してくれます。数ある業務を効率よく進めるために、他部門からの依頼を受けたシステムの自動化など、彼自身がプログラムを作り提供しています。
社内の営業を含めて会社全体のシステム管理更新、部門ごとの要望に対して応えていく姿勢は素晴らしく、吉川工場を建設の際にはシステム会社と手を組んで新しいインフラ設備を整えてくれました。
・新井さん
一番の大所帯の部署が製造部で、社員からパートさんまで全員で290名ほどいる従業員のまとめ役が彼です。
現在、川口市にある3工場の統括と吉川工場の工場長を兼務して働いています。昨年10月(2023年)に新しいメンバーたちと共に予定通りの生産を開始し、速やかに新工場を立ち上げたというところが、素晴らしい功績だと思っています。
彼は普段から、とても自分に自信があるように見えます。根拠がないのに、なぜそれだけ明るく自信が持てるのかと感心してしまうくらい。一緒に働く人たちに前向きなパワーが伝染されているのでしょうね。
Q3
どんな学生でしたか
学生時代は野球が全てでした。高校時代は、日大一の野球部でキャプテンとエースを同時に努め、甲子園出場こそ逃したものの、東東京大会の決勝までチームを導きました。高校卒業後は、日本大学の法学部に進学し野球を続けました。しかし、大学野球は高校野球とはレベルが桁違いで、レギュラーにはなれませんでした。大学は寮生活でしたが、これがもう軍隊並みに厳しく、先輩にどんなに不条理なことを言われてもそれに従わなくてはなりませんでした。大学での寮生活で、私は世の中の理不尽という理不尽は全て体験し尽くしたような気がします。しかし、物は考えようで、この体験が社会に出てからプラスに働きました。どんなことがあっても「あの時よりはひどくない」そう思えるから、どんな難局も乗り越えることができる自信がついたのです。
Q4
学生時代から社長になるまでの道のり(経歴)を教えてください
大学卒業後は飲料メーカーに就職しましたが、1年半で退職しました。家業の洋菓子店の経営が行き詰まり、私が事業を継ぐことにしたのです。当時、私を非常にかわいがってくれた上司がいたのですが、私がいざ退職をするという時に両親を会社に呼び出し「息子さんは、将来役員になれる逸材です。本当に家業を継がせて良いのですか」と説教をするなどという場面もありました。店の経営を立て直すと啖呵を切ったのは良いのですが、私はそれまで家業には全く興味が無く、お菓子を作ったこともありませんでした。それでも、持ち前の不屈の精神で再建に取り組み、社員1名だった店を、今では従業員290名の会社にまで成長させることができました。
Q5
最近感情が動いたエピソード
最近、世界的に有名なチョコレートメーカーとパートナーシップ協定を結んだことです。アヤベ洋菓子はOEMに特化しているので、通常は顧客の求める規格に従って厳正に製品を製造しているのですが、今回の協定では、極めて例外的に商品開発からプロデュースまでを一任していただくことができました。このお話が決まった時には、感動で天にも昇る気持ちでした。ここまで信頼していただけたのも、品質最優先を徹底する弊社の実績があってのことだと思っています。このメーカーのシェフは品質にとても厳しい方なのですが、この方のお墨付きをいただけたからこそ、ブランドの命ともいえる商品開発からお任せいただけたのだと思っています。
Q6
汗と涙の塩(CEO)味エピソード(経営における最大の危機)
平成26年に第5工場の稼働を始めた頃ですが、工場での作業量が従業員のキャパシティを超える事態が発生しました。その結果、社員が肉体的にも精神的にも疲弊し、出勤できなくなってしまったのです。人があっての会社です。社員が出社しないのですから、工場のラインももちろん動きません。私はこの時、会社はこうやって壊れていくのかと実感しました。社員との話し合いを続ける傍ら、私は取引先の会社へのお詫び行脚に明け暮れていました。幸いなことに、私の顔を見て、「取引をやめる」と言う顧客はありませんでした。その後、社員が工場に戻ると私は自ら工場で陣頭指揮を執り、社員一丸となってこの危機を乗り切りました。
Q7
経営危機をどのように乗り越えましたか
第5工場で生産ラインがストップしてしまった時ほど、会社の危機を感じたことはありませんでした。とにかく、社員に出勤してもらって工場を稼働させなければなりません。私は、「今を乗り切れば、会社の未来を拓くことができる」という熱い思いを社員一人一人に直接語り、理解を求めました。あの時、私を信じて危機を乗り切ったメンバーは、今でも会社に残っています。それは、当時私が語った「夢」が、今現実となっているからにほかなりません。この一件を通して、私は「人事」の大切さを身に染みて感じました。今でも、私は経営者の思いが一方通行にならないように、社員の声を聴くことを重視しています。
Q8
社員とのエピソード(名物社員紹介)、社員への思い
社員一人一人が取引先のお客様の夢をかなえる人材に育ってくれること、それが社員への思いです。お客様の要望を最初に聴くのは「営業」です。しかし、子供の遊びの「伝言ゲーム」ですら、正しく「メッセージ」を最後まで伝えることは難しいのです。製品の完成度は、それを製造している現場に、顧客の「イメージ」をどれだけ正確に伝えることができるのかにかかっています。商品の品質は、本社で作られると言っても過言ではありません。ですから、丁寧に物事を伝えることも品質の一つだと考えています。案件の「ストーリー」を大切にした仕様書を作成し、顧客のイメージする商品を世に出すことができる、そんな人材を育てたいと思っています。
Q9
リーダーシップのスタイル
今、真のリーダーを目指して日々努力を重ねています。これまでの私は「ボス」であって、本当の意味での「リーダー」ではありませんでした。ボスが指示命令で人を動かすなら、リーダーは理念や方針で人を動かします。真のリーダーになるため、社員の話に耳を傾けることに多くの時間を割いています。全社員との個人面談では、社員の話をよく聞くとともに、私の思いもしっかりと社員に伝えるようにしています。社員と話をする機会は、面談の機会だけにとどまりません。毎日社内を歩き回って社員の声を聴き、私の考えを直接伝えるようにしています。心で社員を動かす、そんなリーダーを目指しています。
Q10
事業を通して実現したい夢
ズバリ、国際市場への進出です。日本のスイーツは世界的にみてもレベルが高いですし、弊社のお菓子の美味しさには、絶対的な自信があります。世界に誇れるアヤベの味を、世界中の人に知ってもらいたい。それが、私の将来の大きな目標であり、夢なのです。
Q11
夢を実現するために武器となる社長の強み、こだわり
逆境をチャンスととらえる発想力が私の強みです。これまでも、他社が「実現不可能」と諦めた案件に果敢に挑戦し、新たなビジネスチャンスに結び付けてきました。私は、常に顧客目線の仕事にこだわってきました。顧客が自社ブランドで一番大切にしているものは、品質です。今年、私は社員に生産性を求めませんでした。特に包装に関しては、スピードを落としてでも丁寧さを重視するよう指示してきました。このスピード勝負ではない価値観を、社員と共有することは難しいことです。会社の文化の醸成には時間がかかりますが、信頼を失うのは本当に一瞬ですので、こだわる必要があります。
Q12
社会貢献、地域貢献、SDGsに関して実行していること
アヤベ洋菓子では、土曜日限定でアウトレット品の工場直売会を行っているのですが、これが地元の方だけでなくファンの方にも大好評です。この直売会で売られているアウトレット品は、厳格な商品の企画をほんの少し外れたもので、品質には全く問題はありません。早朝5時に販売開始なのですが、午前4時にはお客様が列をなしている状態ですので、4時30分には商品を売れる状態に並べています。直売会では母も直売所に立ち、世界一のおもてなしでお客様をお迎えしています。最高の商品を、破格の価格と最上のおもてなしで販売している直売会です。これからも弊社のファンに喜んでもらうため、この直売会は続けたいと思っています。
Q13
自社の強み、(ユニーク)面白い制度
クライアントが思い描く「商品」を「製品」という「形」にできるということが、自社の最大の強みです。昨日までの商品に満足をしている会社はありません。新規商品開発という潜在的ニーズは、どこの会社にもあるのです。情熱を持ってことに当たれば、技術は後からついてきます。無理だと思う案件でも、それが「できない」理由を突き詰めて考えてみると、大抵の場合、「絶対にできない」理由がないことに気が付きます。世の中がどんなにマニュアル化しても、経験から得た技術に勝るものはありません。これまでの苦労の数が経験になり、誰にも負けない菓子製造の知識となりました。現在でも、現場での開発指示は、自分で行っています。
Q14
若者に望むこと、共に挑戦したいこと、メッセージ
今、日本の価値が相対的に下がっていることが、気がかりです。若い世代の人と職を通して日本の国力の底上げを図りたいと思っています。若者には、明るい未来を描いてもらいたいのです。若い時にはどんなに苦労をしても、歳を重ねれば重ねるほどに人生は楽しいことがあると、現代の若者に伝えたいと思っています。私も、若い時は悩みと試行錯誤の中生きていました。しかし、生きていれば人生は必ず面白い方向に向かうものです。どんなに苦しい状態に陥った時でも、明るくいることと感謝の気持ちを忘れなければ、どんな困難でも必ず乗り切ることができるのです。「困難や苦労から逃げずに生きろ」と、声を大にして伝えたいです。
Q15
家族へのメッセージ
私が仕事にこれだけ没頭し、自分らしく生きることができているのは、ひとえに家族のお陰です。これは、家族がそれぞれの役割をしっかりと担ってくれているからにほかなりません。家庭が円満であるからこそ、私は安心して仕事に打ち込むことができるのです。ですから、家族には本当に感謝しています。仕事、家庭、それにプライベートと、ワークライフバランスをしっかりとれる環境も、家族の協力があってのことです。これからも家族を大切にしていきたいと思っています。
COMPANY PROFILE
- 社名
- 株式会社アヤベ洋菓子
- 設立
- 1968年8月15日
- 事業内容
- 焼き菓子の製造・卸売・販売(OEMメーカー)
- 本社
- 埼玉県
- 社員数
- 290名